サンルーフと聞くと「水漏れ(雨漏れ)」を連想される方がいらっしゃるようです。
確かに、頭の上のルーフに穴があるわけですから水漏れが絶対にないとは言えません。
例えば、雨が降っているのにサンルーフを開けていれば雨水で車内が濡れます。
しかし、そのような例は使用方法の問題なのでここでは省きます。
それでは、サンルーフが水漏れするとしたらどのような要因が考えられるか、サンルーフの構造的な視点から出来るだけ簡単に分かりやすく考えてみる事にしましょう。
サンルーフには、メーカー純正と後付けがあります。
ここでは、弊社で扱っているベバスト製後付サンルーフを例に話を進めます。
後付サンルーフは、機能別に3タイプに分ける事が出来ます。
1,手動ポップアップ・ガラスサンルーフ
Hollandia 100
2,電動アウタースライド・ガラスサンルーフ
Hollandia 300
3,電動フォールディング・サンルーフ
Hollandia 400
これら後付サンルーフのルーフへの取付方法は基本的に共通です。
ルーフの鉄板を切り抜いた穴に、サンルーフ本体(アッパーフレーム)を上からのせます。
次に、車内側からロアフレームをあてがい、ルーフ鉄板を挟んでサンルーフ本体(アッパーフレーム)にスクリューで閉め込んで固定します。
この段階で、ルーフ鉄板とサンルーフ本体(アッパーフレーム)の間にあるシール材が潰れて、車外からの水の浸入をシャットアウトします。
Hollandia100の断面図ではこうなります。
もう少し分かりやすい断面のイメージ図を書いてみました。
上記の断面図を見ていただけば分かる通り、車外からの水の浸入経路は赤い部分の2箇所しかありません。
1)ガラストップとウエザーストリップの接点
製品として完成した状態の接点なので、ここからの水漏れはまずありません。
しかし、長年使用している中では、使用状況により掃除などのメンテナンスが必要です。
2)ルーフ鉄板とサンルーフ本体(アッパーフレーム)の接点
取付け作業後に出来る接点なので、作業精度によっては品質が変わってしまう要素があります。
正しい作業内容で取付けてあれば、水漏れの心配はまずありません。
以上の事から分かる通り、後付サンルーフは車内に水が侵入しない事を前提に作られているので、水抜き用のパイプ(ドレーン)はありません。
雨が降っている時、雨上がりの後まだルーフが濡れてる時、洗車時、長時間車を離れる時など、必ずサンルーフを完全に閉めてください。
それでも、もし、水漏れが確認された場合は?
1)からの場合は汚れや異物が挟まっていないか、ウエザーストリップが裂傷していないかを確認してください。
2)からの場合は目視では分かりませんが、シール材が機能していない可能性がありますので、取付店さんに相談して点検をしてください。